読書記録を始めてみようと思います。自分の感想などをつらつらと…。
「3000万語の格差 —赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者のはなしかけ—」を読んだきっかけ
Twitterの知育界隈で話題になっていたようだったので気になりました。
すぐ読みたい!と思うほどではなかったので、図書館で予約して十数人待ちで借りました。
図書館、最高!大好き!ありがとう!
つぶやきを見ていると3歳までの関わり方に関する本のようだったので、5歳の今読んでダメージを受けないか?と心配もありましたが、後の祭りと開き直って読んでしまおうと思いました。
難聴の話から始まってビックリ
著者はシカゴ大学医科大学院・小児外科教授です。
難聴の子どもが人工内耳移植する話から始まります。
私にとっては、まさか!の始まりでした。
実は息子が0歳の頃、大きな音に反応しないことを心配した私の相談がきっかけで、「難聴の疑いがあり」となり検査をしてもらったり、ろう学校を見学させてもらったり、難聴に関する専門書を読んでいました。
その時には見つけられなかった本…と思ったら、出版が2018年で、まだ発売されてませんでした。
難聴関連の本では、「新生児・幼少児の難聴」という本がとても良かったです。親というより医者などの専門の方が読むための本です。保護者向けの本では、数行の説明と病院へ相談としか書いてないなか、この本はどれだけ早めの手術が必要かが書いてあり、お医者さんと話する上でも大変役立ちました。
専門書だから高い…高かったよ…
と、話が少しそれましたが…難聴の子どもが聴覚を得たあとに、言語の習得で個人差がありそれがなぜか、と研究された本でした。
頭がいいのは生まれつき?遺伝?
学業面の能力は母親から遺伝するとか噂話的に聞いたことがあります。
あとは…親が頭いいと子どももいい…よね。だいたい…という感覚的なことしか考えていなかったのですが、この本によると赤ちゃんは生まれつき頭がいいわけではないそうです。
保護者が話しかけることで頭が良くなるそうで、その中でも大事な期間がなんと…
思考や学びの基礎となる脳の神経細胞のつながりは大部分、生後3年間に起こります。
「3000万語の格差 —赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者のはなしかけ—」初版1刷 38頁より
生後3年間!!
あの体がフラフラで生きているだけで精一杯のあの期間に!?
そして、子どもへの声のかけ方、かける量、質が大事なんだそうです。
タイトルの3000万語とは
3000万語が気になりますよね。正直これが何なのか知りたくて読んだようなものです。
3000万語の正体は、社会経済レベルの違う家庭で子どもにかけられた言葉の差です。
専門職についている家庭の子どもと、労働者層の家庭の子ども、生活保護世帯の子どもを調査しており、子供が聞いた発語の数は、
専門職についている家庭の子ども > 労働者層の家庭の子ども > 生活保護世帯の子ども
となっています。
専門職についている家庭の子どもの方が親が積極的に子どもに話しかけ、生活保護世帯の子どもは話しかけられていないということです。
そして、4歳時点で差が3000万語となります。
この差が、子どもの語彙の速さ、多さ、IQテストの点数になります。
適切に言葉を浴びた子どもの方が頭が良くなるということです。
生まれた時から積極的に話しかけるのは正直目から鱗というか…ほとんど反応がない赤ちゃんを目の前にお世話するので精一杯で話しかけたりしたかな?と思い返してみたのですが、正直言って記憶がありません。
産後なんてもう半端ないしんどさだったよ!!
4つのT
さて、どう子どもと接するのが良いのか…と思ったら4つのTを実践せよとのことです。
一つ目のT「Tune In(チューン・イン)」
「子どもと一緒に話すこと」だそう。
子どもがやっていること注意が向いていることを観察して、そこに参加することかな?と私は読みながら感じました。
親がしたいことに誘導するのではなく、あくまで子ども側に合わせていくイメージです。
この話のなかで赤ちゃん言葉が肯定されていて、嬉しかった!
あとは、赤ちゃんが泣くときは反応してあげましょうという話。
泣くたびに抱っこしたりするのは構いすぎ?と思っていたけど、無視せずに反応することで赤ちゃんにとってプラスと知れました。
抱っこしなくとも、「どうしたのー?」と声をかけるだけでもいいかもですね。
無視せずに反応することが大事とのことなので。
二つ目のT「Talk More(トーク・モア)」
「子どもと話す保護者の言葉を増やすこと」だそうです。
大事なポイントとして、子どもに向かって言う言葉ではなく、子供が集中しているものやことに関する言葉を増やすのだそう。
例えばやっていることをナレーションしたり、実況したり。言葉を補足してふくらませてあげたり。
これは、読みながらかなり難易度が高いなと…かなりわざとらしくなりそうです。
開き直って意識的に会話を作っていかなければできない…おかあさんといっしょのお姉さんになりきらないと無理かも…
三つ目のT「Take Turns(テイク・ターンズ)」
「対話のやりとりの中に引き込んでいくこと」だそうです。
子どもが集中しているものやことに、Tune In → Talk More をしたら子どもが反応するまで待つのだそう。
「なぜ?」「どうやって?」という問いかけは、言葉をたくさん引き出せて良いとのこと。
四つ目のT「Trun Off(ターン・オフ)」
四つ目は、三つ目までとは違っています。
テレビやスマホなどの機器をオフしましょうという話です。
テレビやスマホは、三つのTを実行できないからです。
ちゃんと子どもを見てやりとりしましょうということです。
あーーー耳がいたいーーー
サクッと内容を知るには「最後の解説と訳者あとがき」を先に読むといいです
ざっと内容を知れますし、日本の事情にも触れてくれてます。
また、どういう情報が知りたければ何章から読むといいよと案内もあります。
私は前から順番に読んだので、途中挫けそうになりました…
感想
言葉が聞こえること、言葉を理解することは違うということ。
これは、結構ハッとさせられました。
そして、この理解が少しでも反応が遅いと学習面での差になること。
例えば外国語を学習しているときに、この単語は…と考えてる間にどんどん会話が進んで置いていかれるようなこと。
それが母国語で起こればそれは確かに大きな差になるのだろうと実感するものがあります。
私がその反応が遅い方にいる感がひしひしと…
理解が早い人たちは、そこの反応が良いということなんですね…それが頭がいいというやつなんですね…
さて、息子への関わり方で思うことは、できることはやってるな!ってことです。
やれる範囲でやってたと思う。
四つ目のTは…特にコロナ禍は超解禁しちゃってる。
公園は人が多いとすぐに帰っちゃう。家にいる方が安全だから。
家事をしている時は、1人でテレビを見てもらう時も多い。
これが生きるのに精一杯な家庭の現実だなと思う。
この本はまさに、そんなことを子どもにさせていいのかという問題提起だった。
長時間労働、共働きで子どもといる時間が減ると、子どもとの会話が減る、それが問題だと。
保育園では保育者が少ないから三つのTを実行するのは現実的に難しいからと。
まさにわが家のような家庭が問題視されている本でした。
解決方法は…社会が変わるしか…ない…?
言葉の格差はそのまま経済的な格差でもあるという。
貧困問題はこんなところから始まっているのだなと感じました。
それが0〜3歳児の言葉かけで変わるのに、言葉かけをする時間は金銭的な余裕がないと作れないという。
生まれた家庭の差が学習の差となり、収入面での差となる。なんか辛い。
しかし!まずは生きることも大事だからできることをできる範囲でやっていきます!
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